イカ

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イカ
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 頭足綱 Cephalopoda
亜綱 : 鞘形亜綱 Coleoidea
上目 : 十腕形上目 Decapodiformes
シノニム
和名
イカ(烏賊・鰞)
スルメイカ Todarodes pacificusの体の各部。
1-漏斗(ただし腹側にあって見えない)
2-触腕
3-
4-(えんぺら)
5-
6-頭
7-外套膜

イカ(烏賊・鰞・柔魚・魷・墨魚・鰂 英語:squidツツイカ)またはcuttlefishコウイカ))は、海生軟体動物の一群である。分類学上は軟体動物門頭足綱十腕形上目(または十腕形目) Decapodiformes とされる。十腕目 Decembrachiata とも。英語では体内に甲を持つものを: cuttlefish、ないものを: squidと呼んでいる。

形態[編集]

神経系筋肉がよく発達していて、たいていの種類はに行動する。漏斗からの噴水と外套膜の収縮・ひれを使って前後に自在に泳ぐ。 10本の腕は筋肉質でしなやかに伸縮し、腕の内側にはキチン質の吸盤が並んでいる。吸盤にはスパイクのような歯の付いた角質の環がみられ、筋肉の収縮を利用するタコの吸盤とは構造が異なる[1]。実際の腕は8本で、残りの腕2本は吸盤が先端に集中する「触腕(しょくわん)」とよばれる構造である。この触腕を伸縮させて魚類甲殻類を捕食するが、釣りの時に触腕をちぎって逃げることや、テカギイカの仲間では成長に伴い触腕を欠くことから、必ずしも必要というわけではないようである。

コウイカ目ダンゴイカ目トグロコウイカ目では触腕は第3腕と第4腕との間にある「ポケット」に収めることができ、普段は8本脚に見える。ツツイカ目閉眼目開眼目)では長さを縮めることはできるが完全に収めることはできない。

タコの仲間との違いは腕の数(イカは8本の腕に加え、1対の触腕をもつ)のほか、ミミ(ヒレ)を持つことであるが、これらには例外もある(腕が8本のタコイカやミミのあるメンダコなど)[1]

体内には貝殻を持つが、種によって組成や形状が大きく異なる。閉眼目・開眼目では有機質の薄膜で、軟甲(gladius、イカの骨)と呼ばれる。コウイカ科では石灰質の舟形で、 (cuttlebone, sepion)と呼ばれる。トグロコウイカでは、オウムガイのように巻貝状で内部に規則正しく隔壁が存在し、細かくガスの詰まった部屋に分けられている。

皮膚には色素細胞がたくさん並んでおり、精神状態や周囲の環境によって体色を自在に変化させる。調理に際して、両目の間にある神経系の基部を刺してしめると、ただちに体色が白濁する。

イカは本来の心臓の他に、2つの鰓(えら)心臓を持っている。鰓心臓はに血液を急送する働きを担っている。

イカの血は銅タンパク質であるヘモシアニンを含むために青色である(ほとんどの脊椎動物血液中に含まれる鉄タンパク質のヘモグロビンは赤色)。

特にダイオウイカなど一部の深海イカは、浮力を得るために、塩化アンモニウムを体内に保有している。特定のイカにある“えぐみ”はこのためである(特にダイオウイカなどは辛臭くて食えたものではないという報告もある)。

体の大きさに対しての眼球の割合が大きいことから、行動の多くは視覚による情報に頼っていると思われる。イカやタコの眼球は外見上脊椎動物の眼球とよく似ているが、まったく異なる発生過程を経て生まれた器官であり、内部構造に明確な違いがある(眼の進化)。研究によると同じタンパク質とツールキット遺伝子によって並行に獲得された器官である。脊椎動物と違い視神経が網膜の背面側を通っており、視認の邪魔にならない。そのため視力に優れ、盲点が存在しない。

嗅覚や味覚に関する研究はほとんどない。

敵に襲われた時など、漏斗から水を勢いよく噴出し、ジェット噴射の要領で空中に飛び出し、腕とヒレを広げた状態で滑空する種もいる[2]

学術的には、「頭足綱」の名のとおり頭部に足を持つと解釈されているため、イカを縦長に表示する際には足がある方を上に配置する。

生態[編集]

全世界の浅海から深海まで、あらゆる海に分布する。淡水域に生息する種類は確認されていない。体長は2 cm程度から20 mに達するものまで、種類によって差がある。

イカは小魚や甲殻類を主食とする。イカは自身の体の大きさに比べてかなり大きい獲物を襲う。アオリイカの幼体は自身より大きなムギイワシを襲うことが知られている。コウイカはエビやカニ、小魚を好んで食べる。スルメイカハダカイワシを捕食する際は丸ごと捕食しているのが見られるのに対し、イワシを捕食する際は、触腕で捕らえ、腕で抱え込み、上顎及び下顎で頭部を落とし、胴体のみを食べるように持ち変える様子が確認されており、底生の魚類エゾイソアイナメはこの棄てられた頭部を多く食べている。しかしスルメイカは小魚よりウミノミツノナシオキアミなどの甲殻類を好んで食べる[3]

一方で、イカ類は海の蛋白源として重要な位置を占めている[3][4]。天敵はサメマグロミズウオなどの大型魚類・ウミスズメフルマカモメアホウドリペンギンなどの海鳥アザラシオットセイなどの海獣・イルカゴンドウクジラマッコウクジラなどのハクジラ類を含む海生哺乳類である[3][4]久保田正によるミズウオの胃内容物の調査では、150尾のミズウオから10科27種のイカが確認された[3]。また、マッコウクジラは14科50種のイカを食べているとされ、あるマッコウクジラの胃内容物の調査では、軟体部が残っている830個体中、600個体9科15種が同定されたが、このうちクラゲイカが最多で、次いでアカイカニュウドウイカの順に個体数が多かった[3]。マッコウクジラの食料として、テカギイカ科(北太平洋)やクラゲイカ科(大西洋)が圧倒的に多くみられるが、これは各海域の大型イカ類の多寡を反映していると考えられている[3]サウスジョージア島ゾウアザラシ60頭の胃の内容物の96.2%はイカで、1年あたり230万 tのイカを摂食している[4]。オットセイでは、スルメイカホタルイカタコイカ等を捕食することが知られている[3]。また、サメもイカ類を捕食しており、捕食するものとしてはダルマザメアオザメヨゴレユメザメナヌカザメニホンヤモリザメホオジロザメアブラツノザメクロヘリメジロザメミズワニヨシキリザメネズミザメヒョウモントラザメなどの多くの種類が知られている[5]共食いも行い、深海性のイカの一種は食料の42%が共食いである[4]。陸生のクマオオカミでさえ、偶然浜に打ちあがったイカを食べることが観察されている[4]

敵から逃げるときは頭と胴の間から海水を吸い込み漏斗から一気に吹きだすことで高速移動する。さらに体内の墨袋(墨汁嚢)に墨を蓄えており敵が現れるとを吐き出して敵の目をくらませる[1]タコと比較すると、タコの墨はイカの墨より脂質が少なくさらさらしており、これを煙幕のようにして外敵の視界をさえぎることを目的とする[1]。イカの場合は墨の粘度が高くタコの墨のように拡散せず塊のようになる[1]。イカの墨が紡錘形にまとまるのは自分の体と似た形のものを出し、敵がそちらに気を取られているうちに逃げるためと考えられている。

分類[編集]

鞘形類

タコ目

コウモリダコ

十腕形類(イカ)

コウイカ目 Sepiida

ダンゴイカ目 Sepiolida (コウイカ目)

トグロコウイカ目 Spirulida (コウイカ目)

閉眼目 Myopsida (ツツイカ目)

開眼目 Oegopsida (ツツイカ目)

十腕形類(イカ)は八腕類(タコ)と近縁だが、姉妹群の関係にはなく、イカの姉妹群はコウモリダコだとする説が有力である。

十腕形類は伝統的には、触腕を収納できるコウイカ目 Sepiida (Sepioidea, Sepioida) と、収納できないツツイカ目 Teuthida (Teuthoidea, Teuthoida) の2目に分けられ、ツツイカ目は験膜がある閉眼亜目 Myopsida (Myopsina) と験膜がない開眼亜目 Oegopsida (Oegopsina) に分けられてきた。しかし近年[いつ?]は目を細分する傾向にあり、細かく分けた場合は、ツツイカ目は閉眼目・開眼目に、コウイカ目はコウイカ目・ダンゴイカ目・トグロコウイカ目に分割され、5目となる。ツツイカ目は分割せず4目とする分類、コウイカ目からダンゴイカ目のみを分離し3目とする分類もある。これらの目のうち開眼目に、科・属・種の大半が含まれる。

近年[いつ?]分子系統[6]によると、伝統的な2目はいずれも単系統ではない。細かく分けた5目間の系統関係は解析法により異なる結果が出ており、ダンゴイカ目・コウイカ目・閉眼目・トグロコウイカ目がこの順に分岐したか、あるいは、開眼目が最初に分岐し残りが単系統をなす。ただし、狭義のコウイカ目も単系統ではない可能性がある。

コウイカ目[編集]

英語: Cuttlefish

ダンゴイカ目[編集]

広義にはコウイカ目に含める。

英語: Bobtail squid

トグロコウイカ目[編集]

広義にはコウイカ目に含める。

閉眼目[編集]

ヤリイカ目とも。ツツイカ目内の亜目(あるいは下目)とすることも。

英語: close-eyed squid

開眼目[編集]

スルメイカ目とも。ツツイカ目内の亜目(あるいは下目)とすることも。

英語: open-eyed squid

利用[編集]

科学[編集]

  • 神経細胞 - 他の生物に比べて極端に太く扱いやすい「巨大軸索」と呼ばれる神経があり、これを利用して神経細胞や神経線維の仕組みや薬理作用の解明が進んだ。なおこの実験で用いられたのはヤリイカであった。ヤリイカはコンラート・ローレンツに「人工飼育が不可能な唯一の動物」とさえ呼ばれるほど飼育が難しい生物であったが、松本元がその飼育に成功した。ローレンツは実際に水槽で生きたヤリイカを見るまで、そのことが信じられなかったという[7]
  • 平衡石 - 平衡石という平衡感覚をつかさどる組織を持つ。平衡石には特定の周期で樹木の年輪と同じ様な環状の模様が形成される。これを使い、イカの年齢や生育環境を知ることができる。
  • 放射性物質 - 肝臓には、108mAg 或いは 60Co が蓄積されやすく、海洋の放射性物質による汚染の状況を知ることが出来る。中央水産研究所では、蓄積量を継続的に調査している。また、108mAg の蓄積には、分子量70kDaの蛋白質が関与している[8]

工業[編集]

  • 液晶 - 1980年代に函館にあった日本化学飼料がイカの肝を原料としたダーク油からコレステリック液晶を製造販売していた。

また、この液晶をアクセサリーとして販売していた会社も存在する。 液晶ディスプレイにイカが使われているという話には2つの系統があり、一つは、コレステリック液晶を使ったカラーテレビという、まったく実現されなかった話で、もう一つは、TN型液晶ディスプレイにイカ由来の原料が使われているという話である。 後者に関しては、TN型液晶ディスプレイでコレステロール誘導体が使用されていたのは事実であるが、イカ由来のコレステロール誘導体の使用は確認されていない。 また、イカ墨が天然の液晶物質であるという話も流布しているが、これも事実ではない。

食材[編集]

イカ、生
100 gあたりの栄養価
エネルギー 385 kJ (92 kcal)
3.08 g
糖類 0 g
食物繊維 0 g
1.38 g
飽和脂肪酸 0.358 g
一価不飽和 0.107 g
多価不飽和 0.524 g
0.492 g
15.58 g
トリプトファン 0.174 g
トレオニン 0.67 g
イソロイシン 0.678 g
ロイシン 1.096 g
リシン 1.164 g
メチオニン 0.351 g
シスチン 0.204 g
フェニルアラニン 0.558 g
チロシン 0.498 g
バリン 0.68 g
アルギニン 1.136 g
ヒスチジン 0.299 g
アラニン 0.942 g
アスパラギン酸 1.503 g
グルタミン酸 2.118 g
グリシン 0.974 g
プロリン 0.635 g
セリン 0.698 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(1%)
10 µg
(0%)
0 µg
0 µg
チアミン (B1)
(2%)
0.02 mg
リボフラビン (B2)
(34%)
0.412 mg
ナイアシン (B3)
(15%)
2.175 mg
パントテン酸 (B5)
(10%)
0.5 mg
ビタミンB6
(4%)
0.056 mg
葉酸 (B9)
(1%)
5 µg
ビタミンB12
(54%)
1.3 µg
コリン
(13%)
65 mg
ビタミンC
(6%)
4.7 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(8%)
1.2 mg
ビタミンK
(0%)
0 µg
ミネラル
ナトリウム
(3%)
44 mg
カリウム
(5%)
246 mg
カルシウム
(3%)
32 mg
マグネシウム
(9%)
33 mg
リン
(32%)
221 mg
鉄分
(5%)
0.68 mg
亜鉛
(16%)
1.53 mg
マンガン
(2%)
0.035 mg
セレン
(64%)
44.8 µg
他の成分
水分 78.55 g
コレステロール 233 mg
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

食用になる種類が多く、日本では軟骨やクチバシを除くほぼ全身が食される(クチバシも周囲の肉は「とんび」と呼ばれて珍味とされる)。料理・加工法も刺身、焼き、揚げ、カレーやパスタの具を含めた煮物・炒め物、塩辛干物など多彩である。としても好まれる。イカ焼きは、お祭り・海の家の屋台の定番となっている他、イカそうめんイカめしなどが収穫量の多い地域の特産品となっている。長野県では、古くから保存食として用いられていた塩いか(茹でたイカの腹に、ゲソと共に粗塩を詰めたもの)が、現在でも食べられていて学校給食でも供される。干したイカは出汁取り用として東アジア・東南アジア全域で好まれる。しかし、中にはダイオウイカのように食用には適さない種も存在する。

日本は世界第一位のイカ消費国であり、その消費量は世界の年間漁獲量のほぼ2分の1(2004年現在 約68万トン)とも言われている。また、イカの一種であるスルメイカは、日本で最も多く消費される魚介類である。他にギリシアなど正教徒が多い東地中海地方では、のためイカ料理がよく食される。スペインやイタリアなど地中海の国でも常食される。[9]逆にユダヤ教では鱗がない海生動物はカシュルートでないためイカを食べることは禁じられ、欧米諸国でもタコと同様不吉な生き物とされ、イカを食べない地域は多い。

栄養的には、ビタミンEタウリンほかアミノ酸が多く独特のうまみを感じさせる。他にも亜鉛DHAEPAなどの有用な栄養分も豊富である。

イカは消化しにくく、胃もたれの原因と思われがちだが、消化率は魚類と大差ない。

アニサキス[編集]

イカはアニサキス寄生虫の宿主である。食材として用いる際は、加熱または-20度以下の環境で24時間以上冷凍するのが望ましい[10]。生食する場合は、目視で確認し、かつ刃物で切れ目を入れて提供する[11]。醤油、酢、わさびでは死滅しない[11]。内臓は生食してはならない[11]

日本における主な料理法[編集]

他、揚げかまぼこの類など様々な揚げ物の具として使用される。

イカゲソ[編集]

食用にする際には10本の腕全てを日本では下足(げそ)と呼ぶ。主なイカゲソ料理としては、天ぷらげそ天)・から揚げイカ天すり身のてんぷら)・塩辛がある。主に山形県で盛んに食べられる。

高度経済成長の頃はイカの胴体部分に比べ足の部分は全く売れなかった為、築地市場では一斗缶に大量のげそが無造作に置かれ、タダ同然で売られていたという[12]

イカスミ[編集]

イカスミのパエリア(アロス・ネグロ

パスタのソースに使ったイカスミスパゲッティや、パエリアアロス・ネグロArròs negre」)に混ぜるなどして使われる。

イカゴロ[編集]

中腸腺はイカゴロと呼ばれ、イカ塩辛の特徴的な味を構成する。ルイベとして食べられることもある。加熱するとカニの中腸腺であるカニミソのような味となる。しかしイカ加工時の発生量に対して需要は少なく、廃棄物として処理されるものが多い。他の生物の中腸腺と同様にカドミウムの含有濃度が比較的高く、通常食する量では健康に影響はないが、廃棄物として大量に処理したり、飼料として家畜類の主食に用いる場合は問題となる。

観賞用[編集]

イカは魚類などより飼育が難しいため、一般的な趣味とはなりえていないが、一部の水族館では展示が行われている。

ホタルイカ群遊海面がある富山県では、ホタルイカ漁が観光資源として生かされている。漁期には、青白く光るホタルイカが漁獲される様子を間近に見られる他、滑川市の博物館「ほたるいかミュージアム」や魚津水族館で捕獲個体が展示される。また安価なことから水族館で他の魚や海獣の餌として広く用いられる。

漁業・水産[編集]

イカ漁船

漁法としては、イカ釣り漁船によるものがあり、集魚灯によって集まった(一般的にはイカは光を求めて集まる習性があるとされるが、本来夜行性であるため、むしろ集魚灯の強い光を避けて船の陰に集まっているだけという説もある[13]。)イカを自動イカ釣り機[14]で釣り上げる。日本におけるシーズンはイカの種類により異なる。

日本の陸揚げ漁港[編集]

2002年度
第1位 八戸漁港 青森県
第2位 石巻漁港 宮城県
第3位 羅臼漁港 北海道
第4位 境漁港 鳥取県
第5位 函館漁港 北海道

文化[編集]

語源など[編集]

「いか」の語源については、いかめしい形に由来するとの説などがあるが、はっきりとしていない[15]。漢字「烏賊」の由来は、海に飛び込んでイカを食べようとしたカラスをイカの方が巻きついて食べてしまったとの故事に由来するとの説や黒い墨を吐き出すことから黒を意味する「烏」の賊という字があてられたとの説など諸説がある[16]

イカの数え方は状態によって異なる。生きている時はだが、水揚げされると、干すとである。

水揚げ漁港におけるイカ食振興[編集]

  • 青森県八戸市は遠洋漁業を含めたイカの水揚げ量が日本一で、「イカの街はちのへ」を宣言している。イカの足の数から毎月10日を「イカの日」、市名をかけて8月10日を「八戸イカの日」としている[18]
  • 石川県能登町では九十九湾にある能登小木港がイカの水揚げ漁港であることから、観光物産施設「のと九十九湾観光交流センター(愛称・イカの駅つくモール)」を開設し、巨大なイカモニュメント「イカキング」を設置した[19][20][21]
  • 唐津市呼子町の観光協会では2007年から2014年まで、イカの生態・産業をはじめとした食に関する問題や自然・歴史・文化等について「唐津・呼子イカ検定」を実施していた[22]。合格者は呼子朝市通りにあるモニュメントに名前が掲示されて栄誉が称えられた。

慣用句・比喩[編集]

  • イカを決める - 大相撲隠語で、勝負事や賭け事に勝ったまま勝ち逃げすることを意味する。イカがスミを吐いて姿をくらますことに由来するシャレ言葉である。大相撲の世界には、このようなシャレ言葉が多く、「しかをきめる」などの隠語もある。
  • 地口に「そうはいかの金玉」というフレーズがある(林家木久扇は「そうはいかないいかのきんた…」と言う)。
  • 関西や新潟県の一部などではを「イカ」と呼ぶ方言がある。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e vol8.タコ - 南三陸味わい開発室” (PDF). 海の自然史研究所. 2019年10月18日閲覧。
  2. ^ “イカは空を"飛ぶ"ことができる!! - 北大がイカの飛行行動を解明”. マイナビニュース. (2013年2月7日). https://news.mynavi.jp/techplus/article/20130207-a140/ 2013年2月7日閲覧。 
  3. ^ a b c d e f g 奥谷 2009, pp.193-195
  4. ^ a b c d e Staaf 2017, p.15-21
  5. ^ 仲谷 2011, pp.80-182
  6. ^ Strugnell, J.; Nishiguchi, M.K. (2007), “Molecular phylogeny of coleoid cephalopods (Mollusca: Cephalopoda) inferred from three mitochondrial and six nuclear loci: a comparison of alignment, implied alignment and analysis methods”, J. Mollus. Stud. 73 (4): 399–410, doi:10.1093/mollus/eym038 
  7. ^ 池田譲『イカの心を探る : 知の世界に生きる海の霊長類』NHK出版、2011年6月25日、38頁。ISBN 978-4-14-091180-8 
  8. ^ イカ・タコでの人工放射性核種の蓄積のされ方について 中央水産研究所 中央水産研究所主要成果集 第5号(平成19年 9月発行)ISSN : 1881-5944
  9. ^ “世界が驚いた→ニッポン!スゴ~イデスネ”. (2015年9月26日). https://www.tv-asahi.co.jp/shisatsudan/backnumber/2015/0027/ 
  10. ^ 食中毒アニサキス生の魚介類で猛威 毎日新聞(2017年5月8日)2017年5月9日閲覧
  11. ^ a b c アニサキスによる食中毒を予防しましょう”. 厚生労働省. 2016年6月10日閲覧。
  12. ^ “なぜ「げそ天」は老舗そば屋にないのか? みんなの知らない“げそ天そば”の世界”. 文春オンライン (株式会社文藝春秋). (2021年3月2日). https://bunshun.jp/articles/-/43675?page=1 2021年4月9日閲覧。 
  13. ^ 【参考】 Q.27 イカはどんな方法で獲るのですか?(全国いか加工業協同組合HPより)
  14. ^ 【参考】お魚なんでも辞典>漁法から調べる>イカ釣り(水産大百科より)
  15. ^ フリーランス雑学ライダーズ編『あて字のおもしろ雑学』 p.48 1988年 永岡書店
  16. ^ フリーランス雑学ライダーズ編『あて字のおもしろ雑学』 pp.47–48 1988年 永岡書店
  17. ^ スルメイカ(函館市資料) (PDF)
  18. ^ 「イカの街はちのへ」連絡協議会
  19. ^ "【能登町】能登の魅力を堪能できる「イカの駅つくモール」" DISCOVER NOTO 2023年12月13日閲覧
  20. ^ "批判にめげず 「イカキング」を大化けさせた製作者の意地とプライド" ITmediaビジネスオンライン 2022年10月08日7時30分更新 2023年12月20日閲覧
  21. ^ "【石川】命名 イカキング 能登町のモニュメントに愛称" 中日新聞 2021年6月22日10:01更新 2023年12月13日閲覧
  22. ^ 「唐津・呼子イカ検定 8年の歴史に幕」佐賀新聞(2014年2月20日)

参考文献[編集]

  • 奥谷喬司『イカはしゃべるし、空も飛ぶ』講談社〈講談社ブルーバックス〉、2009年、183-195頁。ISBN 978-4-06-257650-5 
  • ダナ・スターフ(Danna Staaf)原著和仁良二監修 著、日向やよい 訳『イカ4億年の生存戦略 (Squid Empire: The Rise and Fall of the Cephalopods)』X-Knowledge、2018年7月2日、100-102頁。 
  • 仲谷一宏『サメ―海の王者たち―』(初版)ブックマン社、2011年9月1日、80,112-118,139,152,159,165,172,177,182頁。ISBN 978-4-89308-753-9 

外部リンク[編集]