愛好

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愛好(あいこう)は、愛でて好むことである。反義語で、憎み嫌うことは嫌悪(けんお)や厭悪(えんお)という。

通例では趣味嗜好品の範囲内で用いられるが、「平和愛好」のように、主義としてその物事を支持し、深くこだわることにも使う。似た言葉に、愛蔵愛玩愛用といった語がある。愛玩は身近において慰みにするという意味があり、動物や工芸品に用いられる。愛用は「愛車」「愛機」のようにそれがよく好んで使用しているという意味を持ち、愛蔵もそうだが、所有しているといったニュアンスを持つ。愛好は意味が日常生活から隔離しているうえに、上品な響きから会話文では敬語で用いられることが多い。また、元来は「好み」の漢語的な表現であったが、名詞複合語としか使われず、サ行複合動詞として使われることが多いため、現在では置き換えることができない。

医学における愛好[編集]

性的倒錯では、ある種の異常な物を好む症状を『~愛好症』と言う形で呼ぶ(例:糞尿愛好症)。また、ある特定の物質行動過程および人間関係などを、特に愛好する性向を嗜癖といい時に依存に陥る事もある。依存は、WHOによって[要文献特定詳細情報]精神に作用する化学物質の摂取や、ある種の快感高揚感を伴う特定の行為を繰り返し行った結果、それらの刺激を求める抑えがたい欲求が生じ、逆に刺激がないと不快な症状を生じる状態のことと定義されている。

愛好と精神[編集]

人や組織における同様、物における愛も自分が大切だと思う物に対して持つ物である。ここでは前者を愛、後者を愛好として違いをみる。愛好することは、愛することに比べ一方的であり、なおかつ自己の快楽のために大切だ、すなわち、自分の欲求や嗜好を満足させる対象であるという場合が多い。なお、これらの欲求は後天的に身につくものであり、社会や文化の影響が大きく、より良いものを求める傾向がみられる。また人は日常生活において関わりを持つ事物に対し、「好き」および「嫌い」の感情を持ち、好きな事物に対しては自分で所有しようとしたり、接近したりする。これらの感情を持つ要因としては、

  1. 空間的に身近にある
  2. 頻繁に接触する機会がある
  3. ある点が類似している
  4. 欲求を補うことができる

といったものがある。欲望も参照。

愛好と日本語[編集]

日本語において、「愛」のつく語の多くは「愛用されている、愛好されている」といった意味を持つ。こういった語に以下のような語がある。これらの語は皆、「愛」+「愛好される対象となる物や動作」の形である。

対象
行為 愛飲 愛煙 愛吟 愛唱 愛聴 愛誦 愛読
愛機 愛器 愛車 愛書
動物 愛鳥 愛犬 愛馬 愛猫 愛妻


心の赴くままに行動することに満足感を覚え、その行為に従うことに熱中すること。対象を前提とする「嫌い」とは対応しない。また、「物好き」の「好き」もここから出た語である。
  • 事物や人に対する好き
主体対象に心惹かれ、良い感じを抱くこと。人、物、事柄、場所、時間、行為と対象になる物は色々ある。主体をA、対象をBとおいたときに「Aの好きなB」か「AはBが好きだ」といった形式で用いるが、形式名詞や概念、意味領域の広い語は前者しか使用できない。

関連項目[編集]

参考資料[編集]

以下webページ